臨床心理学(朝倉心理学講座9)

臨床心理学 (朝倉心理学講座)

臨床心理学 (朝倉心理学講座)

今の私のように、この朝倉心理学講座を『朝倉心理学講座1 心理学方法論』、『朝倉心理学講座2 認知心理学』・・・と大体順番に読んできた人は、この『朝倉心理学講座8 臨床心理学』に至って、「なんじゃこりゃあ?!」と思うのではないか、と思いました。
本書で扱われている「臨床心理学」は、「心理学」の中ではかなり異質な存在であることがよく分かると思います。
また、そのような「臨床心理学」自体も、その実体は様々な”流派””理論的ベース”の雑多なクラスターであることもまずまずよく分かる内容になっていると思いました。
京大系の先生がメインで編集されているのでやはりそういう感じ、なのですが、そういう感じ、ばかりでなく、まずまずバランスが取れている内容ではないかと思います。また分担執筆の先生方も、極めて限られた紙幅で”世間離れ”した内容を何とかパンピーにも読めるような表現で呈示しておられることに感銘を受けました。というか、ご本人がよおく分かっておられるからこそ、素人にも読めるように書き下すことができるのかもしれません。