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文化心理学(朝倉心理学講座11)

文化心理学 (朝倉心理学講座)

文化心理学 (朝倉心理学講座)

いやー難しかったです。同じ朝倉心理学講座『臨床心理学』と並び、”心理学らしくない”巻でした。
その背景は「まえがき」(田島信元先生)の熱量高い文章から分かります。少し長いですが以下抜粋します。

これまで日本において、着実に一定の間隔で心理学全体にわたる大型シリーズ本が出版されてきたが、「文化心理学」というタイトルの巻が上梓されたのは、おそらくこれがはじめてではないかと考えられる。まさに、編者が本書の編集を依頼されたとき、少なからず驚きを感じ、大いに感激を覚えたことを記憶している。
(中略)
文化心理学」は、他の新しい領域とはまたひとつ趣が異なるものをもっており、その感激はひとしおであった。
その理由は、一言でいえば、他の18巻の諸領域は、いわば自然科学的、実験心理学を志向してきた100有余年にわたる伝統的心理学の枠内に入っており、そして、これを「第一の心理学」と呼ぶとすれば、文化心理学は「第二の心理学」と呼ばれうる、伝統的な心理学諸領域に対し、研究上の発想の転換とそれに伴う方法論の見直しを主張する改革的な領域だということである。その意味では、「18巻の諸領域」vs.「文化心理学」という構図になるといってもよい。
(中略)
改めて申し上げるならば、「文化心理学」とは、最近、さまざまな視点から心理学諸領域で議論されるようになった「認識・行動と文化の関係」に関する総合科学的な研究領域として成長している領域である。

と、いうことだそうです。
文化心理学はヴントがかつて構想した(が発展しなかった)「民族心理学」にその源を遡れること、ヴィゴツキーが現在の文化心理学に大きな影響を与えていること、興味深い隣接領域の研究(トマセロとか)などなど、「へぇ~」満載の一冊でした。
私にとっては本書の内容は消化不良だけどね。こーいう考え方や研究があるのかという感想が得られただけでもよかったと思います。