精神科診断面接のコツ

精神科診断面接のコツ

精神科診断面接のコツ

「追補 精神科診断面接のコツ」が1994年に出ているようですが、図書館にあった1984年出版1990年第10刷バージョンを読みました。
何度となく名著とされているのを目にしています。臨床はしていませんし今後もこの世界に近寄るつもりはありませんが、何となく読んでみたくなったので手にとってみました。
Amazonのレビューで

暇つぶしに読み飛ばすのにはよかろう。このような一貫性を欠く書物が臆面もなく出版されることに日本の精神医学の脆弱性と後進性を実感する。

と星1つで酷評されていたのには笑ってしまいました。
確かに、書物(教科書)としての体系はないかもしれませんが、そういう”一貫性”ではなく、著者先生の精神科医師としての”一貫性”を読み取るべき本でしょう。
人と関わる(人を育てる)立場の方は「8章 問うこと」などはもしかすると参考になるかもしれません。

p.117
患者の陳述の意欲と能力とを「引きだす」「妨げない」「障害をとり除く」操作をしながら、絶えずスキャニングをつづけ、患者の精神機能を測定し、問診のプランをつくる。

p.117
第三章で述べたように、面接には三つの側面がある。患者の陳述をきくこと、患者を観察すること、患者と関係をつくること、の三点である。

卒論指導などは、「診察」でも「問診」でもありませんが、上記引用の「患者」を「学生」と置き換えて読んでもあまり違和感がないように感じ、面白いなあと思いました。