「火附盗賊改」の正体―幕府と盗賊の三百年戦争

「火附盗賊改」の正体 (集英社新書)

「火附盗賊改」の正体 (集英社新書)

TV時代劇「鬼平犯科帳」で有名な火附盗賊改のはじまりから、終わり(≒江戸幕府の終わり)までを概説した新書です。
沢山のことを読みやすくまとめておられるなと思ったら、著者は学者さんというより歴史ライターさんのようです。
時代劇で有名な「長谷川平蔵」に限定せず、幅広く記述されています。
何かの折に「鬼平犯科帳」を目にするたび、「ひつけとうぞくあらため、って、北町・南町奉行と何が違うの?」と思っていながらそのままにしていましたが、要するに、南北の町奉行所だけでは手に負えない、規模の大きい凶悪犯(盗賊団、大火など非常時の火事場泥棒や放火と押し込みのセット等)や広域(江戸を離れた東海道の盗賊団等)捜査を担当していた役職だ、と理解しました。
江戸時代犯罪者はどのように捕まえられ、取調べられ、そして裁かれていたのかの読みものとしても興味深かったです。