アクティブラーニングをどう始めるか

アクティブラーニングをどう始めるか (アクティブラーニング・シリーズ)

アクティブラーニングをどう始めるか (アクティブラーニング・シリーズ)

ぼちぼち読んでいる「アクティブラーニング・シリーズ」(全7冊)の6巻目です。
河合塾が大学受験のことだけじゃなくて,高大接続や,大学から社会へのトランジションのことまで視野に入れて調査研究をしているとは知りませんでした。
本書の主題とはまた別に,自分的に新たに知った事柄:

ジェネリックスキルはコンピテンシーリテラシーから構成されること。
コンピテンシーの構成要素については, 河合塾・リアセック監修(2015)『PROG白書2015』(学事出版) が参考資料になりそうなこと(大量調査データっぽい)。
PROGの結果からは,リテラシーコンピテンシーは相関がないこと。リテラシーは学力検査等で測れるような知的コンピテンス,コンピテンシーは教科知識をベースとした能力とは別の側面を測定している可能性。

  • 専門家(ここでは国語教師等)の暗黙知を可視化する方法

p.48
先生方はご自身の暗黙知可された教育新年(ビリーフス)を述べられおり(ママ),個々人は誠実に教育に向き合われていた。「地獄への道は善意で敷き詰められている」と言ったのは誰の言葉か思い出せなかったが,熱心な先生方の「空中戦」を拝聴している私の脳裡をその言葉がぐるぐると駆け回っていた。

p.48
2回目では,各々の教師のビリーフスを顕在化させ,お互いが大切にしていることを相対化するワークを行った。我々が大学教師を対象に用いている「チェック&シェア」という方法を応用したものである。

→「チェック&シェア」について,詳しくは成田・大島・中村(2014)『大学生の日本語リテラシーをいかに高めるか』(ひつじ書房)を参照のこと,らしい。

  • 「権限のないリーダーシップ」という概念

目標設定(明確な成果目標を設定する)/率先垂範(自分がその成果のためにまず行動する)/他者支援(自分だけでなく他人にも動いてもらえるように,成果目標を共有し,それだけでは動きづらい要因があればそれを除去する支援をする)