日本の人事は社風で決まる---出世と左遷を決める暗黙知の正体
- 作者: 渡部昭彦
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/02/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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副題に「暗黙知の正体」とありますが,『「空気」の研究』の「空気」と同様,結局のところよく分かりませんでした。
とりあえず,本書で言われているのは,「社風」は「ビジネスモデルを規定する顧客との距離」「会社の歴史」「資本形態(株主は誰か)」の3つの要因により決まる,のだそうです。
けれども,長年銀行で人事に関わってきた著者による本書は,色々と物事を考える際のヒントになりそうな本でした。
読み物としてなかなか面白かったのですが,中でも笑ってしまったのは,「人事部が採用リスクを小さくする二つの方法」。
p.151
一つは学歴にもとづいた採用だ。大学の成績はほとんど参考にならないが,入試は小学校から始まる十数年間の勉強の集積結果である。
p.151
大学入試の難易度がそのまま学生の基礎能力(学力)を反映する。
p.152
いずれにせよ,人事部にとって大学を実質的な採用基準にすることは,最大のリスクヘッジなのである。
要するに,
- 採用実績のある大学→(自社にとっては)どんなヤツか事前に想定できる,あまり当たり外れはない
- 有名大学をとっておけば「採用ミス」と言われても「現場の育て方が悪いのでは?」と反論可能→(≧▽≦)
p.152
採用失敗リスクを減らす二つ目の方法は,最初から能力で選ぶのは諦め,相手の雰囲気で直感的に判断することだ。ほんの30分間の月並みな質問と無難な回答では,初対面の相手の実力はまずわからない。
p.152
であれば視点を変え,職場の同僚としてどうか,そもそも一緒に仕事をする気になる相手かどうか,会社に溶け込めそうかどうか,と考えてみるのだ。職場の誰もが「こいつは気が合ういい奴だ」と思う限り,実力はともあれ「採用ミス」という誹りは免れることができる。
人物の優秀さは見極められなくても,醸し出される雰囲気は直観的に(少なくとも30分以内には)感じ取ることができる。
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本書ではふれられてなかったけれども,男性が女性を面接した場合「好みの娘(こ)」を選んでしまうということはあったりしないのだろうか?(≧▽≦)