工学部ヒラノ教授の研究所わたりある記

工学部ヒラノ教授の研究所わたりある記

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ここは、工学部よりも、もっとすごい秘境――その名は「研究所」!
1965年4月1日、原子力のゲの字も知らないヒラノ青年は、なぜか原子力発電研究室に配属されてしまう。 そして、そこから彼のキャリアが始まった―― 楽園の電力中央研究所、地獄のウィスコンシン大学、天国の国際応用システム研究所、煉獄の筑波大学…… ユニークな先輩たち、死に物狂いの論文との格闘。西へ東へ、電力の黄金時代から震災後の失墜まで、 時代と空間を駆けめぐるシリーズ最新作。

久しぶりにヒラノ教授シリーズを読みました。
新刊が出るのが生存確認のようで,もう,出てくれるだけで有難い気分になっております。
しかし,内容は相変わらず面白くしんみりします。

「禍福はあざなえる縄のごとし」といいますが,どこに就職するか
誰と結婚するかなど,人生における諸決断は,後で振り返ると「たられば」だらけであることが常ではないでしょうか。
本書を読むと,ヒラノ教授の「たられば」を言っても仕方がないのだけれど,あのときフライングしなければな~とか,深いため息が聞こえてきそうな気がしました。
しかし,電力中研時代に他の方が断念したおかげで回ってきたアメリカ留学と,驚異の奮闘と踏ん張りでスタンフォードPh.D.をお取りになられたことは,綱渡りの決断の連鎖の最良の結果として,その後のヒラノ教授の人生を支えたと拝見しました。