PROG白書2015―大学生10万人のジェネリックスキルを初公開

PROG白書 2015―大学生10万人のジェネリックスキルを初公開

PROG白書 2015―大学生10万人のジェネリックスキルを初公開


『アクティブラーニングをどう始めるか』→この本で取り上げられていたので読んでみました。lionus.hatenablog.jp
本書でいう「ジェネリックスキル」とは,「あらゆる職業を超えて活用・移転可能なスキル」「大卒者として社会で求められる汎用的な能力・態度。志向」であり,リテラシーコンピテンシーから構成されるということです。

p.37
ここではひとまず「リテラシー」とは「知識を活用して問題解決する力」のことであり,「コンピテンシー」とは,「経験を積むことで身についた行動特性」のことであると定義しておこう。
リテラシーコンピテンシーの違いを平たくいえば,人間には知識を学んで賢くなる側面(リテラシー)と,経験から学んで賢くなる側面(コンピテンシー)があるということになる。

この考えに基づき項目を作成して,大学生約10万人に対してテストを実施し,分析した結果が掲載されています。大量データの観察で,なかなか参考になります。

p.56
リテラシーが,ジェネリックスキルにおける「合理的(論理的)思考力」を測定しているのに対して,コンピテンシーは「個人の判断や行動の様式(スタイル)を測定し,それが,どの程度仕事ができる社会人に近いか」を判定していると捉えることができる。

「企業内で評価されているビジネスパーソンが実際にどのように回答しているかを基準にして」(p.54)いるため,今の「日本の会社」にウケがいい人材を測定する項目になっているっぽい,ということはテスト結果を見る際には注意しておかねばならない点かもしれません。今の日本の会社でウケがいいことが必ずしも”いい”ことなのか?という視点は残しておく必要があると思います。

  • 潜在ランク理論について

古典的テスト理論とはまた別なテスト理論で,面白そうです。