ヘンな論文 / もっとヘンな論文

ヘンな論文 (角川文庫)

ヘンな論文 (角川文庫)

もっとヘンな論文

もっとヘンな論文

これは(著者先生もご自身でおっしゃっておられますけれど)科学コミュニケーションのひとつの形だと思います。

著者は,早稲田大学大学院のドクターまで在学なさった日本語学の方で,大学非常勤講師や芸人をなさっているという,多才な方です。
ご研究のかたわら,ナニコレ?!的なネタ(だけれども論文としてはまっとうな)な論文を取り上げて,楽しくわかりやすく解説なさっています。
なんとなーくの印象ですけれども,1冊目では恐る恐る出してみたら,多方面(学者コミュニティ含む)からえらく好評だったので,2冊目ではさらに自信を得てパワーアップなさっているような気がしました(もちろんどちらも面白いです)。

『もっとヘンな論文』p.3
 私がこの本で紹介する論文たちは,「人を笑わせ,そして考えさせてくれる研究」を表彰する「イグノーベル賞」などにも入選しない,それでいて書いた人たちの膨大な時間と情熱が詰まった,「残念な論文」かもしれないが,一度目を通してもらえれば,だれでも理解できる書き方と内容で,最終的には研究者ってすごい人たちなのだなと再認識してもらえる内容だと思っている。

2冊目では学部生の卒業論文も2本とりあげられていて(「プロ野球選手と結婚する方法」「かぐや姫のおじいいさんは何歳か」),またこのどちらともすごいんですよ。いや~若い情熱だけでなく,その熱量をちゃんとコントロールして論文としてしっかり着地させているのもすごいな素晴らしいなと感銘を受けました。
同じノリで3冊目とか出して欲しいなあ,いや,もっともっと出して欲しいなあ。