中学受験(岩波新書)

中学受験 (岩波新書)

中学受験 (岩波新書)

本書は中学受験の”光”と”影”のうち、どちらかというと後者に焦点を当てています。
amazonユニクロに労働者として実際に”潜入”してルポ*1を書いた著者による新書です。
私自身は、高校までは公立、大学は私学に通ったクチで、ちゃんとした”中学受験”は経験していません。
けれども、近年の中学受験ブームとともに、「教育虐待」という言葉をちらほら聞くようになって、そのあたり現状どうなっているんだろう?とはうっすら疑問に思っていました。
本書は、そういったうっすら疑問に応えてくれるような本だと思います。

本書のアマゾンレビューを読むと、高評価・好意的なレビューの一方で、☆1つで否定的な内容もみられます。
著者が本書の中で自分の体験をかなり率直に述べているとおり、実は息子が(中学受験を目指して)小3から塾に行ったものの、頑張り過ぎてか4年秋から心身の調子を崩してしまい、結局”いち抜けた”、という背景もあります。
ようは”落伍者”による悔し紛れの書じゃないか、偏りがありすぎるのではないかとかいう感じの批判です。
まあそういった面もあるかもしれませんが、でも本書でふれられている、世間に流布する中学受験をよいものとする雑誌や本の”偏り(もしくは欺瞞)”の背景があるとすると、こういう本が一冊くらいないとバランスがおよそとれないじゃないか!と思います。

さてこれは、2013年に書かれた本ですが、
以前、その他にも基本的には中学受験はいいものだという立場をとりながら、最近の動向はこんな感じ!とレポートしている本も、ちょっと前(2018年)に読んだことを思い出しました(これはこのブログには書いていませんでした)。
メモ代わりに貼り付けておきます(内容は中学受験以外の”受験”もあります)。

*1:どちらも未読ですが。