広島ご城下 歴史たび

WCCE2022という国際会議が広島市であり、それに参加して4泊5日間広島市に滞在しました。
広島市原爆ドーム厳島神社(宮島)という2つの世界遺産で有名ですが、市内を6本の川が流れるデルタ街であり、川辺の景観もなかなかいいものです。
そのデルタ街がどのように形成されてきたか、広島城の城下町としての成立前~現在までの流れを図表とともにまとめている貴重な本です。
著者は元広島テレビ放送記者で、歴史の専門家ではありませんが、よくここまでおまとめになられたものだと感銘を受けながら読みました。
本書を読むと、豊臣秀吉が天下人になり、戦国時代が終わりつつある時期に、これからは山の中の本拠地ではなく河口の水運至便なところ=広島湾頭に本拠地(城下町)を作り商業第一にしないと毛利家が発展しない!と、毛利輝元が頑張って太田川河口の砂州干拓してガンガンやり始め、広島城と城下町を建築し、それを福島正則がさらに拡張、発展させ、福島氏が改易された後に入った浅野氏が平和な江戸時代に干拓地をもくもくと拡げた結果が、ほぼ現在の広島市なんだな~とよく分かりました。
さらに、近代都市になるための宇品湾の築港や、水害対策のための太田川放水路の整備まで、現在の広島市になるまでものすごい労力がかかっていることも分かりました。

広島デルタ、と何度も聞いてはいたものの、三角州(土地)があってその間を川が流れているというイメージであったのが、本書を読むと、そうではなく、海(河口)に三角州が浮かんでいるくらいのイメージだったんじゃないかとまで感じます。
それくらい認識がまるきりシャッフルされる本でした。

平和都市として世界に知られる大都市・広島。実は戦国時代の終わりごろまで、現在の広島市中心部は、ほとんどが海の中にありました。

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