ベリングキャット─デジタルハンター、国家の嘘を暴く

「べリングキャット」とカタカナで書かれていると分からなかったのですが、「bellingcat」つまり猫に鈴をつけるという意味からきているのですね。
ja.wikipedia.org
SNSなどオンラインでオープンになっている情報源をもとに、様々な情報の分析と検討をおこなっている、当初はインターネットで手弁当で集まりはじまった組織です(オープン・ソース・インテリジェンス)。
現在のロシアによるウクライナ侵攻についても、ロシア側の”情報操作”の嘘と欺瞞を暴く活動を活発におこなっているそうです。
その、「べリングキャット」の中心人物が、はじめは興味本心からオープンソースの情報を収集・分析し、その分析した結果をブログ等で発表したことをきっかけに、どんどん専門家し、ついには”インターネット探偵”や”市民ジャーナリスト”の集団が出来あがり、既存のマスメディアや公的組織に協力するようになる過程を書いている本です。

日本のインターネットでも、何かけしからんことをしている個人がSNS上で見つかると、”特定班”があらわれ、個人情報を洗い出し晒し上げることがありますが、この「べリングキャット」たちは、このような”特定班”の使うスキルをポジティブな方向に使っている人たちなんだな、と個人的な感想をもちました。

ただ、既存のマスコミは職業的にやっているから持続性があるのであって、「べリングキャット」はいまや組織化され専従のサポートスタッフがいたりするとはいえ、かえって組織化されてしまうと、もともとの本質ともいえる”市民性≒素人性”のよさをどこまで維持できるのだろうか?とは思いました。
まあそんなことはともかく、とてもインターネットらしい、かっこいい集団だねえ。