我が身を守る法律知識

民事裁判の経験豊富な元裁判官が、その知識経験をもとに、予防法学的観点から、あれに気をつけなさいよ、これに気をつけなさいよ、こういったことを踏まえておかないといけませんよ、と丁寧に説いている本です。
著者先生の本は、今まで何冊か拝読していましたが、
lionus-old.hatenablog.jp
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保証(保証人)についての記述で
「②人前でハンコを押さない」(p.217)には、ううむとうなりました。

p.217
 普通の市民が保証で訴えられやすいもう一つのパターンは、主債務者があなたの印章(ハンコ)を無断使用して契約書の保証人欄に押し、債務者には、「保証をしてもらった」として渡すものです。その例はかなり多いです。
 これは、たとえば何らかの契約書を作成する場合などに、親しい人や知人の前で印章を保管場所から取り出して押すことによって、保管場所がわかり、留守中やちょっとしたすきに盗用されてしまう結果として起こることです。人前で印章を保管場所から取り出してはいけません。
 なお、訴訟では、盗用の事実を主張立証することになります。

これは盲点だったわ*1
勉強になります(礼)。

*1:こういう些末に見えるが重大な事柄が本書のあちらこちらに配置されており、ありとあらゆるいや~な事例を見てこられたのだろうなと感じます。