ビジュアル データサイエンティスト 基本スキル84

この本の内容をもとに、日経クロステックで「5分でわかるデータサイエンティストの基礎知識」という特集記事が連載されているのを見て、
xtech.nikkei.com
本書をちょっと読んでみました。
ひとつの事柄について、2ページ見開きで図などを交えて簡潔に示してある、便利な本です。
したがって広く浅くの内容なのですが、後半に「ショートストーリー」と題して、データサイエンティストのキャリアパスの例(パターン)をいくつか示している中で、「心理学からコンサルティングへ」の例(パターン)が示してあるのが、興味をひきました。

p.166「マーケティング調査の会社に就職するらしいよ」
 ゼミのメンバーが一堂に会した研究室で、一人の先輩の進路が話題となった、。カウンセラーか研究者になる者がほとんどのこの研究室では、極めて異例のことだった。
 マーケティングと心理学がどう関係するのか、最初は頭の中で結び付かなかったが、特定の商品やサービスの潜在的な需要を把握するためにアンケート調査を設計し、分析するのが主な仕事と聞いて合点がいった。

p.167
 東山はマーケティング調査会社ではなく、コンサルティング会社を就職先に選んだ。単に調査を請け負うだけでなく、企業経営そのものを支援できることに、魅力を感じたからだ。
 東山は何気ない会話の中から顧客が潜在的に「知りたい」と思っていることを引き出すことと、それを明らかにするための消費者アンケートを自身の強みとしている。そこにはカウンセリングとアンケート調査の経験が活きていると感じる。

p.167
「因果関係があるのは、どの項目か」、「一見影響を及ぼしているように見えて、実は関係がない因子は何か」。

多少ツッコミを入れたくなるような表現もあったのですが、自分自身が心理学を離れて、他分野で頼まれデータ分析をして報告書や論文を書いてきた経験と非常に重なる点があり、かなりうなづけるものがありました。
その他、「Column6 意外と多い文学部出身者の謎」というコラム内でも、同様なことが改めて書かれています。

p.180
 データサイエンティストが大学で学んだ学問を割合で見てみると、工学、理学、情報学と、「理系の王道」とも言うべきものがトップ3に並んでいます。
 しかし、それに次ぐ経営学、経済学、文学、社会学、法学は、文系のものです。特に「なぜ文学?」と疑問を持たれた方が多いと思います。
 実は文学部の中には、「心理学」や「図書館情報学」といった統計やデータ分析を駆使する学科・専攻があることが多いのです。特に心理学はアンケート調査・分析を常套手段とすることが多いため、元々データサイエンスとの親和性が高いのです。