閉鎖病棟

ネガティブ・ケイパビリティ」という用語に関連して、この小説のタイトルを見て興味をひかれたので、盆休みの気分転換に読んでみました。
小説の刊行は1994年ですが、本書を読んでふたつのことを思いました。
まず、太平洋戦争、1945年の敗戦の傷跡が描かれていると思われること。
次に、1995年精神保健福祉法の施行と、精神障害者の地域生活への移行(精神科病院に”閉じ込め”=所謂社会的入院の状態から、援助を受けつつも地域で自立して生活する方向)への動きも描かれていると思いました。
かなり重い内容ではありますが、自分自身の読後感としては前向きな印象を受けました。