カフェパウゼで法学を

書名だけみると法学系以外の人は関係なさそうに見えますが、Twitterで法学系でない(多分)先生が、法学系でなくても参考になるところが多いという感じのことをコメントされていたので、読んでみました。
確かに、書名通り法学系でないと参考にならないな~と思うところも多いのですが、ついこないだまで高校生(生徒)だった人が、4月1日を境に大学生(学生)としての振る舞いをしなくてはならなくなった!わけわからん!の困惑ギャップを、学生キャラとぱうぜ先生(著者先生)との対話も交えながら、こつこつとほぐしてくれる本です。

pp.3-4
 高校までの勉強では、先生が黒板に「覚えるべきこと」を書き、生徒はそれをノートに書き写していた。それなのに、大学では黒板を使わない教員も多いし、使う教員でも、そのままメモをすればノートが完成するような書き方はしない。
 この戸惑いの根源には、高校までの勉強と大学での学びにおける考え方の違いがある。
 高校までの勉強は「知識を伝える」ことに力点がおかれている。小学校・中学校・高校までの先生は、教員採用試験という試験を受けたうえで教壇に立つ〈発達段階に応じて勉強を教えるプロ〉である。そして、「教科書検定」というプロセスを経た教科書を使うことになっている。これは、文部科学省の説明によると「記述が客観敵で公正なものとなり、かつ、適切な教育的配慮がなされたものとなるよう」整えられた教科書である。言ってしまえば、「何を覚えるべきか」を十分検討して、現時点で「正しい」とされている事柄を書いているかどうかを念入りにチェックする教科書検定という手続を経た教科書を使って教えなければならない。その意味では、決まった答えがあるかのように整えられている。
 これに対して、大学ではどんな本を「教科書」として使うかは、講義を担当する教員が決めることになっているし、教科書を使わないで自分が作成したレジュメを配布する教員もいる。そして、高校までの先生との最大の違いは、大学での講義担当者の多くは〈研究しながら教育をするプロ〉、つまり研究者であることだ。

第1章のかなり早いところで、このように「教科書」を手がかりに高校までと大学との違いを書かれているのを見て、興味がアガりました。
続いて、時間(タスク)管理なども扱っているのも、非常に参考になります。
大学の右も左も分からない迷子の子羊段階から、それなりに大学には慣れて本格的なゼミが始まる3年生、卒論執筆する4年生、そして法科大学院や学校を出た後は・・・までぱうぜ先生のアドバイスが書かれています。
読みながら、この著者先生はまだお若いんだろうな~と思いました。
まだ学生だった頃の記憶感覚が残っているこの時期だからこそ書ける本ではないかと拝見しました。