東京大学の先生伝授 文系のためのめっちゃやさしい心理学

先の記事にした
lionus.hatenablog.jp
東京大学の先生伝授 文系のためのめっちゃやさしい天気」が、すごく感じよかったので、同じシリーズの「心理学」版が出ているのを見て、一読してみました。
一応、心理学分野で大学院に行って臨床心理士公認心理師精神保健福祉士をもっている人間から見ても、かなりよく出来ているという印象でした。
本書の「東京大学の先生」は下山晴彦先生で、臨床心理学が専門の先生なので、臨床心理学に関する箇所の扱いが大きめかなとは思いますが、一般的な読者の興味を考えても、そんなに変なバランスではないと思いました。
いわゆる基礎系の心理学についても触れるべき事柄はしっかりと、初心者にも分かりやすい言い方で説明されていると思いました。
心理学に興味のある高校生には、大学進学先を考えるのに有益なヒント本になりそうな気がします。
もちろん、心理学に興味ある大人にもおすすめです。
ところで、本書でも聞き手は「さえない文系サラリーマン(27才)」で、「数学アレルギー」はついていないですが、先の「天気」版と同一人物のようです。テレビ番組とかで、若い女子アナとか女性タレントが聞き手=教えてもらう役として設定されているのをよく見ますが、どうもこのシリーズでは「文系」=教えてもらう役=あんまり頭のよくない人の代名詞?なのか?と一瞬モヤっとしたのですが、「文系」の女の子ではなく、挿絵からすると男性の「サラリーマン」で、しかもある程度は社会人経験のある「27才」というのが、従来からの教えてもらう役設定について、結構革新的なのでは???と思うと、一瞬のモヤりは消えました。
そういう点からすると、このシリーズはゆるい見た目の割には結構考えられている作りなのかも?とか思ってしまいました。