新型コロナウィルス問題で大学授業をWeb利用して提供してくださいになった時のヒントになるかも。

lionus.hatenablog.jp
上記記事に書いたような状況になり,SNSでは大学教員クラスタがWebを利用した(オンライン)授業をどうするかざわざわ・・・
もともと探究心と向上心に満ちている人の集まりですから,どうやったらリアル授業に劣らないようなクオリティのオンライン授業を提供できるか,様々な模索があちこちで始まっているようです。
何を使ってどうするか,そのツールとして,一躍Zoomが脚光を浴びています。新型コロナウィルスによる小中高の休校を受け,教育関係者にサービスを無料で提供っていうのも効いているのでしょう。
www.itmedia.co.jp
自分はZoomを授業で使ったことはなく,少人数の研究会でオンライン参加するのに使ったくらいですが,スムーズに使いこなすためには,いくつかのノウハウが必要と感じています。
例えば,

  • ホストとなるPCは高スペックが求められる,特にメインメモリが多くないといけない。16ギガ?最低でも8ギガ?→ 参加者が5~10名を超えるとクリティカルな問題
  • 回線の品質大事(受信側の学生だけでなく配信側の大学環境も)→ 100名とか200名とかの授業ではパンクするのでは?!
  • 発言者以外の参加者は音声ミュートに(無線で話すみたいな感じ?)

などなど。
iPadでの参加もしたことありますが,スマホでの参加ではどんな感じかは未知数です。
まあ新学期から実際にZoom授業してみたら,皆が接続してなんかできるようになる・・・までにゴソゴソバタバタして結局30分~60分過ぎてしまったというオチになりそうな気もします。
それに,入学したてのほやほやひよこさんに,スマホタブレットにZoomアプリを入れてもらい,Zoom授業に参加してねというのは結構なハードルではないでしょうか。
上級生のゼミなど10数名程度で双方向なやりとりが必要な場合は,Zoomがいいと思いますが,いわゆる大講義室の一斉授業では,授業内容をmp4動画にしてLMSに貼り付けるなり,YouTubeにアップして限定公開にし,そのリンクをLMSに貼ったり,QRコード化して受講生に配布したりするのがコスパ高いんじゃないかと思います。

ここからは,自分が使ってみた授業動画作成のツールと,その体験談の一端を紹介します。
lionus.hatenablog.jp

大学の情報リテラシー授業で,教員のモデル操作を示しながら,学生さんに実操作を進めてもらう形式の授業が成立困難な状況に直面して,急遽自作の動画教材を提供する授業スタイルを試行→確立して以来10年余り。

ここまで使ってきたツールは,ビューレットカム(今はなし),その後はビューレットビルダー(現在も利用)。
PC操作を説明する動画を作るには非常に有能なツールです。
次,PC実習ではなく,通常の講義室での一斉授業での経験:

でも,普段の授業時と違って,試験の日にはいつも用意していただいている,プロジェクターはあるんだろうか?
言わなければ出してくれなさそうかも?
じゃ,後半の試験問題解説授業はどうしたらいい?
(中略)
試験問題解説のスライドショー+自分の解説ナレーションをPC上で録画して,Youtubeに限定公開であげて,各自それを見てくださいにするか!と思いました。

要するに,リアル授業が完全な形でできない状況に直面したので,PowerPointスライドショーを見せながら解説する授業動画を学生が各自の端末(スマホ等)で視聴できるようにした体験談です。
このときは,Bandicamの無料体験版をDLして,PowerPointのスライドショーしながらのしゃべりを録音録画mp4化して,YouTubeに限定公開*1し,限定公開のリンクをQRコード化して紙で配付しました。
qr.quel.jp
実は,Bandicamを使わなくても,PowerPointの機能でしゃべりながらのスライドショーを記録して,mp4動画にエクスポートする方法はあったのですが,当時自分のノートPCでそれをやろうとしてもできなかったということがありました。
なぜできなかったか?
全てのケースにあてはまるかどうか分かりませんが,PCがハードディスクだったということがありそうです。
その後,色々あってノートPCのハードディスクをSSDに換装したところ,PowerPointのナレーションつきスライドショーをmp4動画に吐き出すことができるようになりました。
なお自分のノートPCのメインメモリは8G,CPUはインテルi5-7200Uです。

以上ごちゃごちゃと書きましたが,講義室での一斉授業内容をとりあえずWeb通じて提供するにあたっての覚え書き列挙します。
基本的には・・・


以下も参考:

ということで,PowerPointでスライドショーのタイミングをナレーションつきで記録してmp4にエクスポートするのがおすすめです。
その方法:
①とりあえず自宅ノートPCにUSB接続のマイクをつける(ノートPCなどに最初なからついているのでOKかどうかは試していません)
自分が使っているUSB接続マイク

PowerPointの「スライドショーの記録」でスライドショーのタイミングと同時にナレーションも録音
参考:
support.office.com
③ファイル→エクスポート→ビデオの作成(HD720p,記録されたタイミングとナレーションを使用する)で,mp4動画が吐き出される
参考:
support.office.com

なお,人によってはmp4動画にするまでもなく,PowerPointの「スライドショーの記録」で(多分ナレーションも含めて)保存したPowerPointファイルをLMSで配布する方がいいという場合もありそうです*2

その他,私はWordのレジュメとか見せながらしゃべりたいんだ!という人には,Windows10の機能でPC画面キャプチャして動画にする方法もあります。
ascii.jp
マイクによる録音をonにしておけば,しゃべりながらの自分PC画面上の様子をmp4動画化できます。
ただ,この方法で作ったmp4動画って,むっちゃ容量大きくなってしまうんですよね。
40秒程度の操作キャプチャ動画でも,47MB!
これでは,大学LMSにアップするにも,YouTubeにアップするにもちょっと躊躇してしまいますよね。
動画のファイルサイズを小さくするには,色々方法があると思いますが,VLCメディアプレイヤーというフリーソフトの「動画/変換」機能を使うと,mp4動画をYouTube配信レベルの軽さに変換することができます。
例えば,40秒程度,47MBのmp4動画を,1MB程度にすることができました。

とりあえず以上です。

*1:動画へのリンクを知っている人しかアクセスできない,検索等にはひっかからない。また,当該授業学期が終わるなど限定公開もしたくなくなったら,非公開設定にするなり,動画を削除するなりすればOK。

*2:学生がPCで当該ファイルをPowerPointで開くことが必要なことを了解(理解)していればそれがいいでしょう。スマホで見ることを可能とするか否かで分かれると思います。