都道府県別の感染病床数割合と人口割合と首都圏ヤバイの件。

高度なデータ分析ではなく算数レベルの分析ですが,新型コロナウイルス感染者数増大による医療崩壊は,関西もだけど首都圏も結構ヤバイのではという話です。
きっかけは,このツイでした。


「3月も終わるタイミングでサラッと開示」ではなく,厚労省HPで「感染症指定医療機関の指定状況(平成31年4月1日現在)」として1年近く前から開示済みの内容なんだけどなあ,と
www.mhlw.go.jp
www.mhlw.go.jp
思ったけど,まあ普通はそんなん気にしてないから,こういうことがきっかけで「東京に感染症病床が118床」ということを報道などで知ったら,東京オリンピック延期と絡めて勘ぐりたくなるかもなあとは思いました。
でも,東京都が「118床」って,人口比にてらして多いのか少ないのか判断できないので,上記厚労省ページのデータで計算してみました。
感染症病床の全国合計は1,871床,東京都の118床は,そのうち6.31%
都道府県別人口割合,東京都は10.93%
・・・うーん確かに人が多い割に少ないかも・・・
と,思っていたところに,本日3月25日の8時からの小池都知事の緊急会見。
www3.nhk.or.jp
東京,やっぱりヤバイかも。
けれども東京に人が多い割に感染症ベッド数が少なくても,近隣の神奈川とか埼玉とかに分散して応援してもらえればいいのではないか?
東京都周辺はどの程度のものなのだろう?と,上記厚労省データで感染症病床数の都道府県別割合を出し,
さらに都道府県別の人口割合と突き合せて見てみました。
www.stat.go.jp
具体的には,都道府県別の感染病床数(全国合計に対する)割合から,同じく都道府県別の人口割合を引き算したところ,
東京の-4.62ポイントを筆頭として,神奈川県-3.30ポイント,埼玉県-2.06ポイント,千葉県-1.85ポイントと,首都圏というか東京通勤圏は軒並み結構なマイナス,つまりは人口多い割にベッド数少ないということが示されました。
なお,関東でも群馬県は1.24ポイントで,結構余裕があります。・・・土地勘ないからよく分からないのですが,東京首都圏がパンクしたら救いは群馬県?!群馬県まで搬送?!
その他は,茨城県は0.29ポイント,栃木県は0.12ポイントでまあぴったりというかすこーし余裕ありって感じです。

一方,3月20日~22日の大阪市長の「兵庫・大阪往来自粛」発言で話題になった兵庫県大阪府ですが,こちらも感染症ベッド数<人口な状態です。
兵庫県は-1.67ポイント,大阪府は-2.80ポイントです。

このサイトでは,
www.stopcovid19.jp
感染症病床数<現在患者数 になっているところ=黒色表示になっているのが,兵庫県大阪府,愛知県,東京都なっていますが,いずれも上記計算した,都道府県別の感染病床数(全国合計に対する)割合から都道府県別人口割合を引いた値がマイナスで,絶対値が1.5を超えている都道府県です。
要するに,三大都市圏は人が密集して生活していてクラスターが発生しやすい条件がある上に,もともと感染症ベッド数<人口な状態なので,ちょっとしたことで小池知事のいう「感染爆発」から医療崩壊に至りやすい構図がある,ということだと理解しました。
以下,今回作成した都道府県別の感染病床数(全国合計に対する)割合から都道府県別人口割合を引いた値の一覧表を画像で貼っておきます。
f:id:lionus:20200325232447p:plain